皆さん。
枕にこだわりはありますか。
私はあります。
というより、
こだわらざるを得ない事情があります。
ストレートネック。
そして腰は辷り症。
そんなわけで私と枕との戦いは、
かれこれ数十年。
高い枕。
低い枕。
硬い枕。
柔らかい枕。
首を支える枕。
頭を包み込む枕。
いろいろ試しました。
そして長い年月をかけ、
ついに私がたどり着いた究極の枕。
それは。
バスタオル。
・・・枕ですらない。
バスタオルを折って、
首の具合に合わせて高さを調節する。
これが一番いい。
何万円もする高機能枕が存在するこの時代に、
私の首が選んだ最適解は洗濯機でガンガン洗えるパイル地の布でした。
ところが最近。
夜中に何度か目が覚めるようになりました。
枕は同じ。
ベッドも同じ。
寝室も同じ。
なのに眠りが違う。
そこでふと思いました。
変わったのは枕ではなく、
私の身体のほうなのでは?
身体は意外と勝手に変わっていく
そんなある日。
SNSをぼんやり眺めていたら、
ドイツ製だという枕が流れてきました。
念のため言っておきます。
宣伝ではありません。
口コミを読んでみると、
いびきをかかなくなったという人がいる。
睡眠時無呼吸症候群の症状が楽になったという趣旨の感想まである。
もちろん口コミですから、
医学的な効果を保証するものではありません。
睡眠時無呼吸症候群が疑われるなら、
枕に人生を託さず医療機関へ。
ただ。
数十年間バスタオルで生き抜いてきた私の指が、
なぜかその日は止まりませんでした。
ポチッ。
買いました。
ドイツ。
勝負だ。
・・・何の?
意外にも枕はすぐに届きました。
その晩から使ってみると、
さらに意外なことが。
夜中に起きなくなった。
本当に枕のおかげなのか。
たまたまなのか。
深く眠れているのか。
わかりません。
でも朝まで寝ている。
もしかすると、
いびきもかかなくなったかもしれない。
・・・たぶん。
残念ながら、
確かめてくれる人はいません。
こうして私の壮大な睡眠研究は、
開始早々。
観測者不在。
研究終了の危機です。
「身体を感じて、考える」ということ
でも今回。
私が面白いと思ったのは枕そのものではありません。
身体の変化です。
以前はバスタオルでよかった。
最近は夜中に目が覚める。
枕を変えたら朝まで眠れた。
そこで私たちは、
つい答えを出したくなります。
年齢のせい。
枕のせい。
疲れのせい。
でも、
健社ダンプロで大切にしたいValue①は、
「身体を感じて、考える」
です。
答えを急ぐ前に、
まず身体で起きていることを感じてみる。
昨日と今日で何が違う?
以前は平気だったのに、
なぜ今は違う?
何を変えたら楽になった?
夜中に目が覚める。
朝まで眠れた。
首がちょっと軽い。
そんな小さな変化も、
身体から届いている情報なのかもしれません。
身体は、言葉を使わずに問いを投げかけてくる。
身体を感じる。
なんて言うと、
ちょっと難しそうですが。
要するに。
「あれ?」
に気づくこと。
そして。
「なんで?」
と考えてみること。
案外そこから始まるのだと思います。
身体をたどると社会にぶつかる
そして身体について考えていくと、
これまた面白い。
最初は自分だけの話だったはずなのに、
だんだん自分だけでは終わらなくなる。
例えば睡眠。
眠り一つとっても、
働く時間や暮らし方、
スマートフォンや生活する環境など、
いろいろなものとつながっています。
身体は、
皮膚の内側だけで完結しているわけではない。
社会の中で暮らしている以上、
外からいろいろ受け取っています。
長時間座る生活なら、
腰に出るかもしれない。
忙しすぎる毎日なら、
眠りに出るかもしれない。
安心して歩ける街かどうかで、
身体を動かす機会だって変わる。
そう考えると、
健康を本人の努力だけで語るのはちょっと無理があります。
身体を考えることは、私たちが生きている社会を考えることでもある。
最初は
「最近よく眠れないな」
だったはずなのに。
そこから暮らしが見える。
働き方が見える。
環境が見える。
そして社会が見えてくる。
自分の身体って、
案外社会を考えるための一番身近な入口なのかもしれません。
そして私の身体は、なぜか恋を始めた
ドイツ製枕生活も一週間ほど経った頃。
もう一つ変化が起きました。
夢です。
もともと私はよく夢を見るほうなのですが、
今回はジャンルが違う。
恋愛モノです。
ここで。
初めて人に告白します。
実は私。
若い頃に一度だけ、
恋愛モノの夢を見たことがあります。
まだ結婚する前。
お相手は。
高倉健さん。
・・・渋い。
我ながら若い頃から好みが完成されております。
夢の中で、
高倉健さんの顔が近づいてくる。
近い。
さらに近い。
え?
これは。
もしかして。
もう少しでキス・・・!
その瞬間。
ドキドキしすぎて、
目が覚めました。
・・・終了。
若き日の私。
夢の中ですら完走できず。
それ以来。
恋愛モノの夢を見た記憶はありません。
数十年間。
ゼロ。
高倉健さん。
一回限り。
私の恋愛夢史は、
昭和の名優を最後に長期休業へ入りました。
ところが。
ドイツ製枕に変えて一週間。
3日前。
私は夢の中で松山ケンイチ氏と恋に落ちていました。
おお。
数十年ぶり。
恋愛夢復活。
そしておととい。
今度は佐野晶哉氏とすっかり恋に落ちている。
・・・え?
連日?
高倉健さん以来、
数十年間ウンともスンとも言わなかった私の恋愛夢。
それが突然。
松山ケンイチ氏。
佐野晶哉氏。
連日開催。
一回。
二回。
三回。
どうした私。
しかも今の私は既婚者です。
夢の中の私は、
そのあたりのコンプライアンスを完全に無視しております。
さらに気になるのが。
高倉健さん。
松山ケンイチ氏。
佐野晶哉氏。
・・・若返っている。
何が?
誰が?
どうして?
目を覚ました私は、
天井を見ながら思いました。
「これは枕のせい?!」
たぶんドイツのメーカーも、
そこまでは想定していない。
もちろん枕を変えたことと、
夢の内容に関係があるかどうかはわかりません。
でも。
数十年前。
高倉健さんの顔が近づいてきただけで、
ドキドキしすぎて目を覚ました私。
それが今では、
夢の中で恋に落ちても朝までぐっすり。
身体とは、
数十年かけてずいぶんたくましくなるものです。
・・・そこじゃない。
ただ。
朝起きた私は、
ちょっと笑っていました。
夢とはいえ、
久しぶりにウキウキしていた自分がいたからです。
そして不思議なことに、
なんとなく新しい人生が始まったような気までした。
何も変わってないけど。
仕事も同じ。
生活も同じ。
年齢も同じ。
朝になれば、
高倉健さんも松山ケンイチ氏も佐野晶哉氏もいません。
いるのは。
新しい枕。
そしていつもの私。
現実。
・・・静かです。
でも。
身体が少し楽になった。
眠りが変わった。
朝の気分まで少し変わった。
それだけで、
昨日と同じ景色がほんの少し違って見える。
身体が変わると、世界の感じ方まで少し変わるのかもしれない。
身体を感じて、
考える。
それは不調を探すためだけではありません。
自分の小さな変化に気づく。
そこから暮らしを考える。
社会を考える。
そして時には、
自分の人生まで考えてみる。
そんな探究の入口にもなるのだと思います。
身体は今日も、
私たちに何かを教えているのかもしれません。
そんな私は今朝も、
ちょっと新しい人生が始まったような気分で目を覚ましました。
まあ。
目を開ければ、
今まで通りの古い人生なんですけどね。
人生が変わったのではなく、人生を感じている自分が少し変わった。
・・・気分次第?!
それにしても。
高倉健さんから数十年。
松山ケンイチ氏。
佐野晶哉氏。
この調子でいくと、
今夜はいったい誰が出てくるのでしょう。
思えば数十年続いた、
私と枕との戦い。
ドイツ製枕の登場で、
ついに終戦かと思いました。
でも。
どうやら違ったようです。
戦う相手が、
枕から夢に変わっただけでした。
いや。
夢とは戦わなくていい。
むしろ歓迎。
・・・何と戦ってたんだっけ?
身体を感じて、
考える。
健社ダンプロの探究はまだまだ続きます。
私の場合。
今のところ社会より先に、
今夜のキャスティングが気になります。
・・・寝よ。



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