第35話|父のいびきを調査せよ!― 午前2時、私の身体は眠れるのか⁉

夜の実家の庭にある池とヒキガエル。父のいびきと睡眠をテーマにした健社ダンプロ第35話のイメージ画像。 からだとこころの再生

皆さま、こんばんは。

かりおです。

今日から実家に帰省中の私。

高齢の両親の様子を見に、
新幹線でやってきました。

お土産は柿にグアバ、
ゴーヤの佃煮。

華やかさより実用性。

我ながら渋い親孝行便です。

ところが今回、
もう一つ重大な任務がありまして。

それは……。

父のいびき改善プロジェクト・現地調査!

実は先日、
自分用に買った枕を父にも送ったのです。

なぜって?

4つ買うと割引だったから。

……親孝行の動機に、
少々商売っ気が混じっております。

■ 父のいびきは天然記念物級⁉

父のいびきは実に豪快。

1階と2階に分かれていても、
聞こえてくるほど。

その音はまるでウシガエル。

そういえば中学生の頃、
家の近くの池にウシガエルが住んでいると信じていました。

……あら?

もしかしてあれ、
池ではなく我が家から?

長年の自然観察、まさかの観測地点ミス⁉

もちろん当時の音の正体は不明です。

ところでいびきは、
眠って喉の周囲が緩み、
狭くなった空気の通り道で組織が振動して起こるもの。

なるほど。

父の喉、
毎晩勝手に演奏会を開催しているわけね。

入場無料。

しかも全館放送。

できれば休演日を設けていただきたい。

■ 枕ひとつで変わるのか⁉

枕は頭を載せるだけの道具ではありません。

首の角度や寝姿勢にも関係します。

枕を変えていびきが軽くなる人もいるようですが、
私に合う枕が父にも合うとは限りません。

ちなみに枕会社の宣伝担当ではありません。

ただの割引に弱い娘です。

母に効果を尋ねても、
父より先に眠ってしまうので分からないとのこと。

……それでは私が調べるしかない。

こうして実家に臨時睡眠研究所を開設!

研究費ゼロ。

被験者一名。

研究員一名。

しかも研究員、勤務中に寝落ちする可能性あり!

研究体制に重大な欠陥が見つかりました。

■ 午前2時、丑三つ時の攻防戦

調査予定は午前2時ごろ。

昔なら幽霊が出る丑三つ時。

我が家ではウシガエル……。

失礼。

父のいびきが響く時間かもしれません。

母は夢の中。

父も夢の中。

私だけが耳を澄ませる予定。

……ちょっと待って。

父の睡眠を調べるために、
私が睡眠不足になるの?

他人の睡眠を守って、自分の睡眠を犠牲にする研究所⁉

これはなかなかのブラック企業。

病院の睡眠検査には専門の設備もありますが、
我が研究所にあるのは私の耳だけ。

しかも私の理想の睡眠時間は7時間半。

研究員の福利厚生、
完全に後回しです。

■ 身体から労働条件の改善要求!

眠っている間も、
身体は呼吸を続けています。

体温を調整し、
自律神経も働いている。

眠りは単なる休業時間ではありません。

身体にとって大切な夜間業務なのです。

父のいびきが静かになっていれば嬉しい。

ただし静かだから安全とは限りません。

ひどいいびきや呼吸が止まる様子があれば、
専門医への相談も必要です。

一晩の素人調査で結論は出せません。

……それにしても。

午前2時に調査する私の身体は、
いったいどうなるのかしら。

そのとき頭の中に、
従業員からの抗議が聞こえた気がしました。

父のいびきより先に、私の睡眠時間を調査していただけません⁉

……ごもっとも。

昨日の朝のストライキ事件から、
まったく学習していない経営者です。

父のいびき調査はこれから。

果たして枕の効果はいかに?

それとも先に、
研究員の私が夢の中へ逃亡するのか?

結果はまだ分かりません。

ただ一つ確かなのは。

我が睡眠研究所、開設前から労働基準監督署案件です!

コメント