第53話|私の常識が通じない⁉ 人間観察は謎だらけ!

明るいスタジオで、帽子とリュックを身につけ、拗ねて座り込む男の子。上級生たちが優しく声をかけ、指導者の女性がほかの子どもたちの練習を進めながら振り返って見守る3Dイラスト。 人生と再起

皆さま、
こんばんは。

今日は本当に、
まいったまいったのかりおです。

実は私、
たくさんの子どもたちを指導しています。

楽しいだけではいけません。

人としてのルールも、
きちんと伝えなくちゃ。

ところが今日。

小学4年生のお姉ちゃんと、
小学2年生の弟君が登場。

どうやら電車で姉弟げんかをしてきた様子。

午前11時15分。

弟君が座り込んで、
ひと言。

 

「お腹空いた!」

 

そして動かない。

あらまぁ。

また始まりましたね。

私にご機嫌を取らせたいの?

お姉ちゃんを困らせたいの?

本当にお腹が空いているのかしら?

「朝ごはんはちゃんと食べてきた?」

「食べた」

あっそ。

……でも今日は、
簡単には折れませんからね。

■ 帽子にICカード! 帰宅準備は完璧⁉

いつもなら、
あれこれ声をかける私。

でも今日は、
少し距離を置いて様子を見ることに。

すると弟君。

帽子をかぶり、
電車のICカードを首から下げ、
リュックを背負って大騒ぎ!

 

「帰る!」

 

ちょっとぉ。

準備だけは完璧じゃない?

でも一人で電車に乗って帰れないでしょ。

その間にも、
約20人の子どもたちが集合。

全体練習が始まります。

私は弟君の安全を気にかけながら、
ほかの子たちの練習を進めました。

一人のご機嫌に、
全員の予定を合わせるわけにはいきませんからね。

今日は負けないわよ!

■ 私の予想を裏切った上級生たち!

ところが、
ここで思いがけない展開。

中学生のお兄ちゃんや、
小学6年生のお姉さんたちが、
代わる代わる弟君のもとへ。

 

「君が来ないと困る子がいるんだよ。来てよ〜!」

 

あら?

みんな優しいじゃありませんか。

私が練習を進めている間も、
上級生たちは声をかけていました。

すると……。

なんと!

弟君が反応したんです!

えええっ⁉

そして気づけば、
全体練習に参加しているじゃありませんか!

 

お願いされたかったの⁉ そういう入り口がありましたのぉぉぉ!

 

もしかして、
みんなの輪に戻るきっかけを探していたのかしら。

本当の気持ちは本人にしか分かりません。

でも、
私が予想していた展開とは大違い!

ちょっとぉ!

さっきまでの大騒ぎは、
何だったんですか〜?

■ いちばん成長していたのは誰⁉

今回、
何より驚いたのは上級生たち。

周りを見て、
自分から動いて、
代わる代わる声をかける。

あらまぁ。

みんな、
いつの間にこんなに成長したの?

実のお姉ちゃんも、
弟君につきっきりにならず、
自分の練習に集中していました。

そうそう。

あなたにも、
あなたの大切な時間があるんですよね。

私は距離を置いた。

上級生は声をかけた。

そして弟君は練習に戻った。

同じ子でも、
関わる人や言葉が違えば、
反応も変わるのねぇ。

次はどう関わろうかしら。

また現場で考えてみなくちゃ。

それにしても。

今日は絶対に振り回されない!

そう決めていた私。

まさか上級生たちに、
こんなに驚かされるとは。

 

ちょっと皆さま! 指導者の私の予想を、そんなに軽々と飛び越えないでくださいませぇぇぇ〜〜〜‼

 

……でも次回も、
小さな反乱軍に白旗を振る予定はございません。

むしろ私のほうが、
研究課題を一つ増やされましたわ。

それでは皆さま。

今夜も、
どうぞよいひとときを。

コメント