庭という、小さな世界の話

人生と再起

あれから、1か月。

毎朝。

リンゴを出して。

来るものを、ただ待つ。

そんな時間が、続いていました。

でも昨日の朝は。

ヒヨちゃんが、来ていません。

一昨日も。

来なかった。

リンゴは、そのまま。

少し乾いて。

干しリンゴみたいになって。

バードフィーダーに残っています。

新しくした方がいいのか。

このままでいいのか。

少し迷いながら。

とりあえず、
そのままにしています。

ヒヨちゃん。

どうしたのかな。

そんなことを思いながら。

ふと。

この庭のことを考えました。

この1か月で。

シジュウカラも来ました。

2羽。

軽やかに動いて。

ちょこちょこと、楽しそうに。

でも。

それ以降。

来なくなった。

ヒヨちゃんが追い払ったのか。

それとも。

果物が好みじゃなかったのか。

分かりません。

ただ。

去年の夏は。

ひまわりの種があって。

いろんな鳥が来ていました。

にぎやかで。

少しだけ、混み合っていて。

それぞれが、それぞれの動きをしていた。

でも今は。

ヒヨちゃんだけ。

そして、そのヒヨちゃんも。

もう、いない。

こうして見ていると。

庭って。

ただの庭じゃなくて。

ひとつの世界なんだな、と。

ルールがあって。

バランスがあって。

ちゃんと流れがある。

来る時期があって。

去る時期がある。

にぎやかな時間もあれば。

静かな時間もある。

その中で。

ただ、起きていることがある。

ヒヨちゃんは。

来るときは来る。

来ないときは、来ない。

それだけ。

でも。

あの1か月。

毎朝ちゃんと来て。

ちゃんと食べて。

ちゃんと、生きていた。

それは。

たしかに、ここにあった時間です。

それを思い出すと。

少しだけ、思うんです。

人間も。

もう少しだけ。

ちゃんと生きてもいいのかもしれない。

来るものを、受け取って。

去るものを、追いかけすぎずに。

ただ。

その流れの中にいる。

そんな生き方も、
あるのかもしれません。

ヒヨちゃんは。

今日も来ていません。

でも。

リンゴは、そこにある。

そして私は。

また明日も。

たぶん、リンゴを出します。

来るかどうかは、分からないけれど。

それでも。

出す。

それだけで、いい気がしています。


再生する身体。
再起する人生。

来る日も、来ない日も。
それでも、流れていく。

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