第54話|ちゃんと説明したのに伝わらない⁉ 私の言葉はどこへ消えた!

明るい職場で、顔を両手で覆う若い女性スタッフと、心配そうに見守る女性。頭上には言葉のすれ違いを表す吹き出しが浮かび、そばではトラ猫のかりお猫が不思議そうに眺めている3Dイラスト。 人生と再起

皆さま、
おはようございます。

言葉って、
ほんっと便利なくせに厄介ですねぇ。

言ったつもり。

伝えたつもり。

分かってもらえたつもり。

この「つもり」というお方。

なかなかの曲者なんです。

昨日はそのことを考えすぎて、
私の頭の中で緊急会議が始まりました。

ところが議長不在。

議題ばかり増えて、
まったく閉会できませぇぇん!

■ 早朝の職場に、ぽつんと一人

昨日の早朝。

若い女性スタッフが、
職場でぽつんと座っていました。

いつものお化粧もなく、
少し泣いた後のようなお顔。

あら?

どうしたのかな。

私はそっと声をかけました。

 

「バディとの作業は終わったの?」

 

「はい」

 

「ちょっと一人で作業したくて」

 

……なるほど。

これは何やら、
事情がありそうですねぇ。

実はこの二人。

もう二年ほど、
すれ違いを繰り返しています。

また何かあったのかしら。

でも、
私は現場を見ていません。

ここで勝手に推理を始めたら、
名探偵かりおの暴走です。

しかもこの探偵、
肝心の証拠を持っておりませぇん!

■ 言葉が届かない! 配達先はどちら?

仕事の不具合を指摘する。

改善をお願いする。

でも、
思うように伝わらない。

説明する側も焦る。

相手も感情的になる。

そして最後は、
言葉より感情が先に走り出す。

あらら。

こうなると、
もう話し合いどころではありません。

 

言葉は出発したのに、相手の心へ配達できませぇぇぇん!

 

「ちゃんと」も、
「普通に」も、
人によって受け取り方が違います。

同じ言葉を使っていても、
頭に浮かぶ景色は別物かもしれません。

いやぁ。

言葉って、
取り扱い注意ですわねぇ。

■ 聞き役のつもりが、私も話していました

今回は、
何があったのか詳しく聞き出さないことにしました。

話したくなったら、
話せばいい。

せめて一人ではないと、
感じてもらえたら。

すると彼女が、
少しずつ口を開きました。

 

「相手の家庭環境が悪かったんだと思います。可哀そうだなあと思うんです」

 

仕事以外にも、
複雑な事情がある様子。

それでも彼女は言葉を選び、
仕事の話に戻しました。

相手を責めたくはない。

でも、
自分だってつらい。

そんな揺れる気持ちが、
伝わってくるようでした。

私は自分の経験も少し交えながら、
プロとしての接し方や、
言葉の返し方について話しました。

ただ、
一番痛そうなところには触れずに。

彼女は黙って聞いていました。

■ 私の言葉は、どこまで届いたの?

そこへ他の人が入ってきて、
会話は終了。

私はそっとその場を離れました。

でも、
気になるんです。

彼女は少し楽になったのかしら。

それとも、
また分かってもらえなかったと感じたのかしら。

黙って聞いていたからといって、
納得したとは限りません。

言葉を短くすれば伝わる?

具体的に説明すれば解決する?

きっと、
それだけではないのでしょうね。

相手の顔を見て、
反応を確かめて、
また考える。

話すことより、
どう届いたかを知るほうがずっと難しい。

一晩たっても、
昨日のことが頭から離れません。

そして気づけば、
私自身の言葉まで調査対象。

 

人の言葉を心配していたら、私の言葉まで行方不明ですぅぅぅ~~~‼

 

あらら。

頭の中の会議、
まだ終わりそうにありません。

せめて次に会ったとき、
彼女が少しでも穏やかな顔をしていたら。

そんなことを願いながら、
今日も言葉と格闘するかりおです。

……それにしても。

議長はいつ出勤してくれるんでしょうねぇ。

それでは皆さま。

本日も、
どうぞよい一日を。

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