皆さま、おはようございます。
かりおです。
今朝は少々慌ただしい私。
実家から電車で約30分。
新幹線に乗って帰る前に、
どうしても立ち寄りたい場所があります。
5月に亡くなった叔母の家です。
目的はロックミシンとその他の遺品を選ぶこと。
帰りの時間も気になるけれど、
今日は少しだけ時計を気にせずにいたい。
……もっとも。
新幹線は私の都合で待ってくれません。
時間との交渉は、
どうやら今回も難航しそうです。
■ 3月のあの日には戻れない
叔母は小さい頃から、
母のように私をかわいがってくれた人。
いえ、
母以上に。
3月には叔母の家で、
ロックミシンの使い方を教わりました。
糸の変え方。
手の添え方。
ミシンを動かすときの加減。
教わることがたくさんあって、
私はすっかり生徒気分。
ちなみに、
叔母は服飾のプロ。
まさかその時間が、
叔母と過ごす最後のひとときになるなんて。
あの日の私は、
少しも考えていませんでした。
叔母が最後に使ったロックミシン。
できることなら、
これからは私のそばに置いておきたい。
便利な道具だからというだけではありません。
叔母と過ごした時間が、
そこにつながっている気がするのです。
■ がま口バッグに詰まったもの
3月に叔母にデザインしてもらったバッグ。
見事ながま口バッグになっています。
口をぱちんと閉じれば、
なんとも愛らしい姿。
叔母のセンスには、
最後までかないません。
でもこのバッグ。
私にとっては単なる作品ではありません。
端切れからデザインを考えてもらった時間。
教えてもらった手の動き。
そばで聞いた叔母の声。
そうしたものまで、
一緒に縫い込まれているように思うのです。
このバッグには、布より大切なものが詰まっている。
がま口を開くたび、
あの日のことを思い出せたら。
それだけで十分です。
■ 身体は時間を巻き戻せるのかしら
昨夜は身体と記憶の不思議について考えました。
懐かしい香りや音楽が、
忘れていた景色を連れてくること。
そして今日はロックミシン。
もしあのミシンに触れたら、
3月に教わった手の感覚が戻ってくるかしら。
叔母の声まで聞こえてくるような、
そんな気持ちになるのかしら。
もちろん、
まだ分かりません。
これから実際に見て、
触れてみるのですから。
ただ一つ思うことがあります。
頭では叔母がもういないと理解している。
それでも身体は、
あの日の温かさを思い出すことがあるのかもしれない。
時計の針は戻せません。
でも。
あの時のままの時間を、自分のそばにまとわりつかせておきたい。
そんな願いくらいは、
持っていてもいいわよね。
■ 今ある時間を大切に
叔母のことを考えると、
どうしても両親の顔が浮かびます。
二人とも高齢になりました。
いつかは、
同じような別れの日が来るのでしょう。
でも今は、
その日のことを先回りして考えるのはやめておきます。
会えるときに会いに行く。
一緒に食事をする。
他愛のない話をする。
そんな何でもない時間を、
これからも重ねていきたい。
きっと大切な思い出は、
特別な出来事ばかりではないのでしょう。
帰りの新幹線では、
またいつもの暮らしが待っています。
時間は止められない。
けれど、
過ぎた時間がすべて消えるわけでもない。
叔母のロックミシン。
あの日の声。
教わった手の動き。
まだそこに、
残っているような気がします。
いつか私も、
誰かの記憶の中にそんなふうに残るのかしら。
……それは、
まだ考えなくてもいいわね。
まずは今日、
叔母のミシンに会いに行きましょう。
そして帰ったら、
何を縫おうかしら。
叔母ならきっと、
私の手元を見ながら何か言ってくれそうです。



コメント