ヒヨちゃん、なかなかのグルメでした

人生と再起

最近、分かってきたことがあります。

ヒヨちゃん。

好き嫌いが、はっきりしている。

リンゴは食べる。

それも、
ためらいなく。

迷いなく。

「これは食べるやつ」
と決めている顔で。

サクッ。
サクッと。

いい音を立てて、食べる。

見ているこちらまで、
ちょっと気持ちよくなるぐらいに。

ところが。

柑橘。

出してみたんです。

なんとなく、身体に良さそうだし。

ビタミンとか、ね。

すると。

一口だけ食べて、こちらを見る。

えぇ。

食べはするんです。

一応。

でも。

一口いっては。

じーっ……。

こちらを見る。

そして。

なかったことにする。

見事なまでの。

無言の圧。

完全に、伝わってきます。

「これじゃない」

って。

さらに。

キーウイ。

これも、いけるだろうと。

なんとなく、
オシャレだし。

すると。

食べる。

えぇ。

食べるんです。

ちゃんと。

でも。

……残す。

絶妙に。

ちゃんと食べた感は出しつつ。

でも。

全部はいかない。

そして。

また、こちらを見る。

あの目はきっと。

こう言っています。

「うん、方向性は合ってる。でも違う。」

と。

つまり。

すっぱいものは嫌いらしい。

なかなかの。

グルメです。

でも、ここで。

ちょっと思ったんです。

これって。

ただの好き嫌い、なんでしょうか。

なんというか。

迷いがないんですよね。

食べるものは食べる。

合わないものは、ちゃんと残す。

それだけ。

説明もいらないし。

言い訳もいらない。

誰かに合わせる必要もない。

ただ。

身体が選んでいる。

そんな感じ。

私はというと。

どうでしょう。

なんとなく体に良さそうだから。

みんながいいって言ってたから。

とりあえず流行っているから。

そんな理由で、
選んでいることも多くて。

本当は。

そこまで好きじゃないのに。

なんとなく食べていたり。

なんとなく続けていたり。

……ありますよね。

でも。

ヒヨちゃんは違う。

一切、ブレない。

リンゴは食べる。

すっぱいものは、
ちょっと様子を見る。

そして。

違ったら、残す。

以上。

シンプル。

でも。

そのシンプルさが、
なんだか気持ちいいんです。

余計なものが、ない。

迷いも、ない。

ちゃんと、合っている。

いや。

選んでいるというより。

もう、分かっている。

身体の中で。

そういう感覚。

あ。

もしかして。

酸っぱいものって、
自然界では「まだ早い」とか
「ちょっと危ない」のサインだったり……?

なんて、
勝手に納得してみたりして。

これを見ていると。

人間って、
ちょっと鈍感で、複雑にしすぎているのかもしれないなと。

そんな気がしてきます。

もっとシンプルで、いいのかもしれない。

好きなものは、好き。

違うものは、違う。

それだけで。

少し楽になることも、あるのかもしれません。

ヒヨちゃんは、今日も来る。

そして。

迷いなく、リンゴを食べる。

私は、それを見ながら。

ちょっとだけ、自分の選び方を考える。

そして、気づけば。

リンゴを常備するようになりました。

えぇ。

完全に、影響されています。

そんな朝が、増えています。


再生する身体。
再起する人生。

ヒヨちゃんは今日も、
ちゃんと選んでいる。

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