震えながら、私は確信した。マイナス4.5度の挑戦状

旅と気づき

イスタンブールで猫に主役を奪われ続けたあの旅。

次の目的地は、
カッパドキア。

「気球がすごいらしいよ。」

その一言だけで決めたのですが。

12月のトルコ。

朝の気温。

マイナス4.5度。

……いや、聞いてない。

猫で心は温まったけれど、
身体は完全に油断しておりました。

それでも。

人生で一度は見たいと言われる、
あの気球群。

健康とは何かを、
文字通り“身をもって”考える朝になるとは、
この時まだ知りませんでした。

マイナス4.5度の挑戦状

集合は早朝。

まだ真っ暗。

吐く息が白いどころか、
痛い。

手袋をしていても、
指先がじんじんする。

「これ本当に飛ぶの?」

内心、半信半疑。

でもスタッフは慣れた顔で、
巨大な布を広げ、
バーナーで一気に空気を送り込む。

ゴォォォォォッ。

炎の音。

暗闇の中、
気球がゆっくりと立ち上がる。

その瞬間。

寒さよりも、
高揚感が勝った。

ああ。

人はワクワクすると、
体温が上がるんだ。

心が先か。
身体が先か。

この旅は、
その答えを探す時間でもありました。

空に浮かぶ数百の命

ふわり。

音もなく、
地面が遠ざかる。

気づけば、
空一面に気球。

赤。
青。
縞模様。

奇岩の大地の上に、
冬なので少ないと言われていたけど、
数えたら60基の球体が浮かんでいる。

それはもう、
現実とは思えない光景。

太陽が昇る。

オレンジ色の光が、
岩肌を照らす。

私は思いました。

ああ。

健康って、
こういう瞬間のためにあるのかもしれない。

身体が動くから、心が震える。

寒い。
早起き。
正直、楽ではない。

でも。

この景色を見られるのは、
今の身体が動くから。

心だけ元気でも、
ここには来られない。

身体だけ元気でも、
感動は薄い。

両方あって、
初めて人生は立体になる。

心の健康と身体の健康

猫との20年。

介護。
看取り。
姑との同居。

その間、
心が折れそうになったこともありました。

でも、
身体は動いていた。

動いていたから、
乗り越えられた。

逆に。

心が元気だったから、
猫を撫で、
笑い、
また前を向けた。

カッパドキアの空で思ったのです。

どちらかが欠けても、
人生は浮かばない。

気球と同じ。

布だけあっても飛ばない。
炎だけあっても飛ばない。

両方が揃って、
初めて浮かぶ。

心と身体は、人生を飛ばす両輪だ。

猫から気球へ、そしてこれから

イスタンブールでは、
猫が教えてくれました。

愛されること。
与えること。
思い出の温度。

カッパドキアでは、
空が教えてくれました。

動けるうちに動くこと。
寒くても挑戦すること。
今この瞬間を味わうこと。

マイナス4.5度の朝。

震えながら、
私は確信しました。

人生は後回しにすると、
簡単に錆びる。

でも。

今、
心と身体を使えば。

何歳でも、
ちゃんと浮かべる。

猫に育てられ、
気球に背中を押され。

私の旅は、
まだ続きます。

コメント